抗うつ薬の治験については、「院長の日記帳」でもその都度、紹介していますが、当院では過去多数実施し、その中で有効性が確立し発売されたお薬を、現在通常治療で処方する事もあります。これも、ご参加頂いた患者さんのおかげかと思っています。
そこでまた、今回新たな抗うつ薬の治験を開始します。
このお薬は、脳内の様々な神経伝達物質のバランスや量に影響を与え、その結果うつ症状を軽減する可能性がある、ニコチンチャネル阻害薬という種類のお薬です。
なお、このお薬はメカミラミン(Inversine®)というお薬と似ており、メカミラミンは日本で未承認ですが、世界では、高血圧治療薬として長年使用されています。また、このメカミラミンおよびこのお薬を使った別の治験では、既に承認されている抗うつ薬と併用したとき、うつ病治療に役立つ可能性も示されました。
そして、この治験は約5カ国で同時進行に行うグローバルな治験です。
年齢18~65歳の男性および女性で、大うつ病性障害でお悩みの方。また、1剤の抗うつ薬を服用しているが、効果が不十分である方。もしくは抗うつ薬を服用していない方が、参加の対象です。治験へのエントリーは希望していただいてもかまいませんし、私からお話することもあるかもしれません。エントリーの基準を満たしていれば、治験をすすめてみたいと考えています。ご協力宜しくお願い致します。
月: 2012年1月
抗うつ薬(SNRI, SSRI)の併用療法治験
ここ数年になり、様々な新規抗うつ薬(SNRIやSSRI)が上市(発売)されました。
そして、上市(発売)された新規抗うつ薬の殆どは、当院で治験を行い、評価した薬剤です。
改めて、ご協力くださった患者さんがあってこその賜物かと思います。
さて、今回も上市(発売)に向けて、更なる治験をはじめます。
今回の治験は、大うつ病(大うつ病性障害)の治療において2週間以上前から、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬),SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)を服用している20歳以上65歳未満の方が対象となります。(ただし、条件によっては参加できない事もあります)
方法は、日本において厚生労働省に承認されている、抗うつ薬の「SSRI」または「SNRI」に、今回の治験薬を併用して服用した時の効果と安全性を確認します。また、治験薬には、薬効のないお薬(プラセボといいます)を使用する場合があります。
また、米国および欧州で、統合失調症や双極性障害に対して使用が認められており、また、うつ病に対しても、他の抗うつ薬との併用療法として使用が認められています。
ちなみに、併用療法とは、大うつ病の患者さんが抗うつ薬による治療を続けたまま、さらにこのお薬を2剤目として追加服用して治療を行う療法のことです。
治験へのエントリーは希望していただいてもかまいません。是非、ご興味があれば、私までご連絡ください。参加の基準を満たしていれば、治験をすすめてみたいと考えています。ご協力宜しくお願い致します。